アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
来春開校する「美浜打瀬小学校」は「打瀬小学校」から500メートルほど離れた場所にあります。この地域で三番目の小学校になります。
地域のネットコミュニティが発達していて教育に高い関心を持っている人たちがいて、あらゆる情報が僕らにも送られてきます。打瀬小学校の教育を評価してこの地域に引っ越してくる人が多くて、日本にしては珍しく子どもが多い街になっています。分譲マンションを買って打瀬小学校に通わせていた子どもが大学生になっていなくなって、親たちもそこを賃貸にして都心に戻るという行動パターンがあります。でも賃貸に出された家にまた子育てをしたい人たちが入ってくるので、常に小学生ぐらいの子どもがいる家庭の比率が高く、いくら学校をつくっても足りないという状況です。
「美浜打瀬小学校」は24クラス分のフォーマットで設計しましたが、開校と同時にほぼ定員いっぱいでのスタートです。今、全国でプレファブ校舎が建っているのはここだけじゃないでしょうか。学校の専門的な要素をたくさんビルトインしていますが、集積回路を展開していくとどんどん微分されていくので、建築の人に話しても分からないようなことが増えてきます。しかしアウトプットはアクティビティだし、そのアクティビティがディスターブされないように、熱や音などいろいろなものをかなり高度に処理しています。
ノーエキスパンションのフラットスラブにして、そこにたくさんの光を取り入れる孔を開けています。スラブは天井面の音対策から、コンクリート打放しというわけにもいかず、リブ天井が覆うような形としています。荷重を受けるのは細い柱でよいので、プランを決めるのに通り芯がなくても構いません。構造は T.I.S. & PARTNERS の今川憲英さんです。
学校建築ばかりをご紹介していますが、僕たちは別に学校建築をどうつくるかということをお話ししたいわけではありません。こういうことは、異なるビルディングタイプである病院や美術館でも可能です。建築の世界では、あるひと種類の建築を続けてつくると、その筋の専門家だと思われてしまうのでつらいところです。ですからほかのタイプの建築のコンペに勝ちたいと思って取り組んでいます。