アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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妹島和世+西沢立衛/SANAA - 環境と建築
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2018 東西アスファルト事業協同組合講演会

環境と建築

妹島和世+西沢立衛/SANAA
KAZUYO SEJIMA + RYUE NISHIZAWA / SANAA


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質疑応答
 
おふたりの作品の多くは、屋根と柱の接合がシンプルで、柱が細くつくられています。柱の細さについてどのようにお考えですか。
妹島

柱は、すべてが細いもので構成されているわけではありません。ひとつのフラットな屋根から、比較的太めの柱や耐震壁、ブレースを用いて水平力を持たせておいて、鉛直力のみを受けるようにすることで細い柱を実現しています。ですが、「ルーヴル・ランス」のプロジェクトに取りかかった頃から、ひとつフラットな屋根を支える構造だと、外装が付くとなにか大きな箱のようになってしまって、外と中をいくら繋げても建築の全体性が強くなってしまい、建物と周辺が繋がらないのではないかと思うようになりました。そこで近年では、周りと建築がもう少しスムーズに関係し合うように、場所ごとに天井高や形態が異なったり、出たり入ったりと外部と内部が入り組むような、部分における変化を考えるようになったため、建築はひとつの大きな箱ではないかたちへと徐々に変化し、それに伴い構造も複雑化してしまいます。しかし、その方が建物と周辺がより密接に、より自然に繋がるのではないかと考えています。

 
近年のおふたりのプロジェクトを拝見すると、建物のボリュームや形態は周辺環境から解かれているのに、建物の色彩はどの建物でも白色の印象が強いと感じました。建築物の色彩についてどのように考えられていますか。
妹島

最近では、素材の色をそのまま出せないかということを試みています。私たちの建築は白だとよく言われますが、よく見るとコンクリートはいつもそのまま打ち放しで使われていたり、鉄板には、亜鉛メッキのような、鉄っぽい素材感を残した仕上げを使用したりと、塗装部分以外についてはなるべく素材感を残そうとしています。一方で、光の採り入れ方に対する考えは、昔から変わっていないように思います。光が建物全体に広がるような建物を目指していて、写真で見ると白色っぽく見えるのではないでしょうか

 
それぞれのプロジェクトで、敷地や周辺に対して個々の問題に取り組んでおられますが、これまでの作品に一貫して発展させている考え方や、前作との関連性はありますか。例えば篠原一男氏は、第1の様式、第2の様式と思考プロセスに具体的な発展性を示されていますが、そういった点について、どのようにお考えですか。
西沢

私たちは、篠原一男さんのように自らの仕事に様式を名付けることはしていませんが、同じように、仕事の中で自分たちの問題意識は連続し、発展しています。今回お話しした、建物の内部と外部を繋げるなどはその一例です。建築という仕事をやっていると、誰でもそうだと思うのですが、今日は住宅の設計で、明日は美術館、明後日はリノベーションというように、毎日てんでばらばらの仕事に向き合うことになります。ばらばらな仕事を続けるからこそ逆に、それらは本当に無関係なんだろうか、自分にとって連続した問題は何なのだろうか、と考えるようになります。多分それは設計の仕事をしていれば、誰でも多かれ少なかれそうだと思います。

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