アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
1952年にはベネチア・ビエンナーレの「ビアーニの彫刻展の会場構成」を手掛けました。手前に彫刻を、向こう側にその写真もしくはドローイングをフレームに入れて展示し、その間には美しい半透明なスクリーンを下げています。天井も半透明のスクリーンで覆われて、スカイライトか照明の光にばんやりと紗がかかったような状態です。非常に簡単なデザインですが、面白いと思います。手前には彫刻の世界、奥にはドローイングの世界があって、その間は完全に仕切られるのではなく紗幕が掛かっている状態で、こちらにいても向こうの空間が、向こうにいてもこちらの空間が意識されるようにつくられています。ここでも一見ひとつひとつがいろいろな方向でバラバラに置かれているように見えますが、それぞれが関係し合ってひとつの空間がつくられています。
「ブランクーシ展」も同様です。個性的な彫刻が並んでいますが、それがひとつひとつ色の違うパネルの前に置かれています。つまり、それぞれの彫刻が固有の背景を与えられているのです。ここでもそれぞれの作品に個別の空間を与え、それが繋がり合っているというデザインになっています。