アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
これまでに紹介したプロジェクトでは、グリッドの空間に歪みを与えて有機的な三次元曲面の連続体をつくるという操作を行ってきたのですが、私たちはそれを「エマージング・グリッド(生成するグリッド)」と呼んでいます。
なぜそういうことを考えているかというと、今、現代建築は三次元の曲面を使うことが技術的にいくらでも可能になり、世界中を見渡すと、いろんな建築家が曲面を使いながら建築をつくっているわけですが、そういうものをつくる時に曲面をコントロールするルールが何か存在するのだろうかという疑問が私の中で生じてきたからです。
直角のグリッドだったら、私たちはすぐによいプロポーションだとかスケールだとかがピンとくるのですが、曲面をつくる時にも、何かそういうルールがあるのだろうかということを思索しているのです。今、そのルールをつくり出したいと思い、グリッドが変形した曲面による新しいグリッドを表現していきたいと考えているのです。「福岡アイランドシティ中央公園中核施設 ぐりんぐりん」や「瞑想の森市営斎場」でも、三次元曲面の連続する屋根を実現していますが、次に紹介する「台中メトロポリタン・オペラハウス」では、それをさらに展開させて「エマージング・グリッド」による構造体で、建物全体を構成するという提案をしました。