アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
最近、私の事務所の若いスタッフたちにも「新しい建築をつくるために」何が必要かという話をしました。彼らに、もっと志を高く持つように説教をしたのですが、今日はそれをまとめたものを発表させていただいて、終わりにしたいと思います。
第一は「変革の志を持て」。ホールのプログラムだったら、もっと面白いホールはないのか、あるいはもっと自由な建築はないのかと考える志を持って欲しいということです。次に「討論せよ」。ひとりで考え込んでいないで、もっとチームの中でディスカッションをした方がよいと思います。それから「五感で考えよ」。頭で考えるのではなくて、自分が本当にやりたい計画でないと、すぐに化けの皮が剥がれてしまいます。四つ目は「テーマを一言で語る習慣を身につけよ」。自分のやりたいテーマをまわりくどく説明するのではなくて一言で言えるようにならなくてはなりません。これはコンペの案を考える時も一緒で、あれもこれもやりたいと言っているようではコンペには勝てません。自分の考えを整理する必要があります。五つ目に「自らのアイデアを常に捨てる勇気を持て」。議論した結果、もし他の人のアイデアの方が優れていると思ったら、即自分のアイデアを捨てる潔さを持たなくてはなりません。自分のアイデアを捨てることができない人が多いのですが、ひとつのアイデアに固執せずに新しいことにチャレンジする精神が大切です。そして、それに繋がるのですが「素直であれ」。これは事務所でよく言っています。あまりに頑固に我を通そうとする人はチーム内でもうまくいかないし、新しいアイデアを出すことに行き詰まってしまいます。
建築の設計は、いくつかのターニングポイントがあって、新しいアイデアが出て先へ進んだり、あるいは後退したり、その繰り返しです。絶え間なく進化しているわけではないのですね。ですから集中して考えなければいけない押さえ所で力を発揮できることが大事なのです。その間はブラブラしていてもよいから、「ここぞ、という時に集中できる力」を養って下さい。事務所でよくそんなことを言っています。