アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
大学時代に私は、いかにハウジングが都市のつくられ方、あるいは既存の都市と密接に関係しているかということを学びました。今、日本には残念ながらマンションといった画一的な形態でしか、ハウジングのかたちがありません。私が学生だった頃は、もっといろいろなタイプのハウジングがありました。現在若い建築家の中でそういうことを試みる方が増えている、ということは心強いんですが、もっといろいろなタイプのハウジングがあってよいのではないかと思います。
これは現在われわれが設計しているシンガポールのハウジングで、高層のアパート「skyline@Orchard」です。高さは137メートルですが、実際のアパートは地上20メートルから始まっています。それより下の部分はできるだけ豊かなグリーンにして、パプリツクなスペースになる予定です。これにはいろいろな理由があるんですが、こうしたかたちでつくられるのはちょっと珍しいケースです。場所はシンガポールのオーチャード大通りに近い所ですが、周りは比較的低い住居環境です。
この建物には全体で40戸しか入ってません。現在既に設計が終わっています。低層部分は片方に120平方メートルのユニット、150平方メートルのユニットがあり、30平方メートル分だけキャンティレバーで出しています。それからその上にメゾネト形式の200平方メートル、ワンフロア完全に独占している240平方メートル、さらに400平方メートルの広さを持つペントハウスがあります。特徴としては、四方のコーナーすべてにグリーンがあり、そこを豊かにすることによって、全体が緑のタワーになるよう考えています。
敷地に入るとプールやスパ、外で食事ができる所など、いろいろな施設があります。ここでもなるべくグリーンで囲まれた環境をつくることによって、こうした高い空間が生きてくるようになっています。
こうして各ユニットがそれぞれ特徴を持ち、かつコーナーにグリーンを持っているコンドミニアムの計画を今進めています。OMAもシンガポールに同じような形式で、高層集合住宅をつくっているということです。