アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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妹島和世+西沢立衛/SANAA - 環境と建築
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環境と建築

妹島和世+西沢立衛/SANAA
KAZUYO SEJIMA + RYUE NISHIZAWA / SANAA


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スタッドシアター・アルメラ

妹島 「スタッドシアター・アルメラ」のコンペに参加したのは、事務所を始めて10年ほど経った時でした。事務所を始めた当初は50平方メートルから70平方メートルほどの住宅を設計しており、徐々に500平方メートルから1,000平方メートルくらいの規模の建築を手がけるようになっていました。そうした頃に、突然、20,000平方メートルのこのコンペにお声がけいただきました。当時も今も、外部と内部を繋げる視点は常にあるのですが、当時はどちらかというと内部での体験をどう外に繋げていくか、というような形で内外を繋げようとしていたと思います。また、あの頃は平面が建築の大きな中心になっていました。人の活動や関係が平面になる、それが建築になる、というふうに考えていました。
「スタッドシアター・アルメラ」は、人工湖の上につくった劇場とカルチャーセンターの複合施設です。
カルチャーセンターというのは、市民がお稽古事や市民活動に使う大小の教室群です。それは大劇場と中劇場からするとたいへん小さな部屋が並ぶものでした。そのカルチャーセンターと劇場を分割せずにつくれないかと考えました。強い輪郭を持った大きな構造をつくって、その中を小さく間仕切りしていくのではなく、小さな構造を繋げていって全体ができ上がるような建築をイメージしました。ホールや廊下を少し拡大して、廊下を待合室のような形にすると、廊下を通って部屋にたどり着くのでなく、部屋から部屋へ巡っていく体験が生まれます。エントランスから入ってきた人が稽古室へ向かう時に、最短の動線で移動するだけでなく、何種類か選べる動線を複数つくって、色々な空間を巡って目的の場所へ向かうことができる動線計画にしました。各室を分ける間仕切り壁は構造体でもあります。構造家の佐々木睦朗さんの計算では、30ミリメートルの厚みの壁でできるとのことでしたが、防音のため60ミリメートルのパネルでつくる提案としました。ただ、それもコスト面で難しいということで、最終的には薄いパネルと細い構造で実現させることになりました。敷地は陸の上と人工湖の上だったのですが、陸の部分は歩道として使い、建物はすべて人工湖の上に浮かせました。

「スタッドシアター・アルメラ」の夜景

「スタッドシアター・アルメラ」の夜景

「「スタッドシアター・アルメラ」全景」の写真

「スタッドシアター・アルメラ」全景

「スタッドシアター・アルメラ」平面図

「スタッドシアター・アルメラ」平面


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