アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
西沢 「ROLEX ラーニング センター(2009年)」はスイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)のキャンパス内に計画された学習センターで、図書館やレストランを複合した施設です。「スタッドシアター・アルメラ」では部屋を並べてどこでも人びとがくつろげる空間を計画しました。「金沢21世紀美術館」では、半分は部屋でもう半分は人の流れをつくる空間にして、人間の活動に応えた建築にしようと試みました。「ROLEX ラーニング センター」はほぼ大きなワンルーム、公園のような場所です。空間は中庭と地形で分けています。たとえば丘の起伏を階段教室のようにしたり、丘と丘に挟まれているスペースを学生カフェにしています。丘の一番高いところは図書館で、静かな場所になっています。壁で空間を分けるのではなく、地形と中庭で分けています。構造は佐々木睦朗さんにお願いしました。床がうねるような形状のシェル構造になっていて、その上に軽い鉄骨屋根が架かっています。丘の下にはオープンスペースが生まれていて、キャンパスに入る人が丘の下を潜ってエントランスに着くようにしました。
「ROLEX ラーニング センター」南側より見る
「ROLEX ラーニング センター」平面
「ROLEX ラーニング センター」シェル下平面
妹島 中央のメインエントランス以外にも、色々なところにエントランスがあるので、食堂、ホール、リサーチセンターなど、行きたい場所の近くのエントランスから入ることもできます。敷地はレマン湖に近く、またスイス連邦工科大学の敷地内にあるため、学生が移動する動線を遮るような、立ちはだかる建物にしたくなかったので、建築がたまに宙に浮いて下を通り抜けることができる形状にし、いろんな方角から人が入ったり横切ったりできるようにしました。「金沢21世紀美術館」では、内部は自由に歩き回れますが、エントランスは外周部に設けている、という特徴がありました。しかし「ROLEX ラーニング センター」ではボリュームを持ち上げることで、人は建物の中央から内部へ入ることもできるようになっています。
「ROLEX ラーニング センター」エントランスホールより図書コーナーを見る。
起伏のある大きなランドスケープのような空間
「ROLEX ラーニング センター」カフェから図書室側を見る
「ROLEX ラーニング センター」シェル下の空間。
大小さまざまな大きさの光庭が連続している