アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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内藤 廣 - 建築にできること
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東西アスファルト事業協同組合講演会

建築にできること

内藤 廣HIROSHI NAITO


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海の博物館
海の博物館
海の博物館

収蔵庫で、プレキャストコンクリートでできています。船などが入っている建物です。左右にある黒っぽいのが、大断面集成材でつくった展示棟です。収蔵庫をつくるのに四年間、収蔵庫が出来上がってから展示練をつくり始めましたので、それが三年半かかりました。収蔵庫が坪単価四十二万円、展示練のほうが坪単価五十五万円だったと思います。

展示棟です。この博物館に行かれる方は、建築もいいんですが、内容物がすばらしいので、ぜひ中身をよく見ていただきたいと思います。展示棟の展示は全部手づくりです。お金がないからということもあるんですが、すべて博物館の学芸員の方の手づくりでやっています。ですから行くたびに展示が変わります。学芸員の方の研究テーマの内容が深まるにつれて、展示内容も変わっていきます。そういうところが、生きている博物館としてすばらしいと思います。

船の収蔵庫ですが、公開されている船のほかに漁網の部屋や、漁労用具の部屋などがあります。

設計を始めたときは一万点ぐらい入ればいいなあと思っていました。始めたときに一万点で、そのときに重要文化財が六干八百点ありました。設計が終わって建物が出来上がったときに一万五干点ぐらいになって、博物館をオープンするときに二万五干点になって、現在五万五干点に迫る収蔵物がこの博物館の中にあります。

展示棟内部
展示棟内部

ここに展示されているものは、重要文化財といっても三十年前ぐらいのものがほとんどです。三十年前ぐらいのものが重要文化財になる日本の世の中とはどういうものか。つまり、われわれはこの三十年ぐらいでものすごく大きな生活の変化の中にいたということがわかると思います。

ディテールですが、プレキャストコンクリートのポストテンション組み立て工法です。コンクリートで見えているのは設計強度が四百五十キロぐらいですが、実際にはこれをつくってくれたところがたいへんよくやってくれまして、六百キロぐらいの強度のコンクリートでつくってくれました。ですから通常のコンクリートの三倍ぐらいの強度で建物が出来上がっています。

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