アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
*一転しまして、これは同じタイルでもむしろ暖色系で、よりやわらかい空間をつくりたいというときに使われている色であり、手法でもあります。『慶応義塾三田図書館』と『デンマーク大使館』です。両方とも同じ時期に前後してできておりますが、空間としていちばんアンサンブルがいいのは、暖色系のタイルには暖色系の材料です。内部の仕上げはナラ材で組まれている木の格子です。それから奥にあります机、椅子も、エンドウプランニングと一緒に協力してつくった家具です。それから床もじゅうたんとか、石もトラバーチンを使っております。
したがって、ここら辺でおおよそ見ておわかりのように、そうした材料同士がひとつのアンサンブルをつくる。この中で白のマーブルなんか出すと違和感があるんですね。それからデンマーク大使館も、木枠が室内に使われておりまして、障子がらみの部分もあり、ここでもサロンとしての落着きが重要視されています。
*再びガラスブロックなんですが、今度は内側から見たガラスブロックでして、先ほどのYKKの二階の図書室へ行くところの階段室です。階段は螺旋状で、ここら辺の細い手すりはまたダイカーの手すりを思わせるようなディテールになっていますし、またガラスプロックは弗酸で処理してあって表面の白光性を強めています。普通のガラスブロックはちょっと青みがかっているので、私たちは、できるだけ白い色の感じを強めたいということで、ちょっとお金はかかるのですが、この方法を使う場合が多いのです。
*もうひとつは慶応の日吉の図書館の中の十字路です。ここではPタイルを市松に二色で使うことによりグラフィックな感じが強くしています。それから閲覧室の照明器具とか、椅子ですが、大体こういう場所では黒とか濃いエンジとか、そういう強い色を使っています。しかしガラスブロックを使うという発想から、あくまで空間をリードしているのはガラスブロックで、ほかのマテリアリティは何となしに決まってくるわけです。