アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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槇 文彦 - 建築空間と物質性について
東京都体育館/科学博物館コンプレクス
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東西アスファルト事業協同組合講演会

建築空間と物質性について

槇 文彦FUMIHIKO MAKI


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東京都体育館/科学博物館コンプレクス

最後に、簡単に三つほど、いまやっておりますプロジェクトをお見せして終わりにしたいと思います。

『東京都体育館』
東京都体育館
東京都体育館

*これは『東京都体育館』です。最近やっと実施設計が上がったところです。浮遊する屋根と、それを支えるわりとがっちりとした基部という二つのイメージが基本的な概念としてあって、それから藤沢と同じようにステンレスの屋根が使われると思います。

藤沢の場合は屋根の大きさが直径70メートルでしたが、今回は120メートル近くあり、規模も藤沢の固定観客席約2,000人に対して6,000人あります。ジグラードの屋根型の小体育館、研修ゾーンヘ行くためのピラミッド型をしたエントランス等と、さまざまな幾何学形のぶつかり合いで全体が構成されています。しかもこれは東京の都心に近い公園地区で、周縁は住居地域なので、高さは極力抑えられて、大きいわりには極力スケールを抑えた建物になっていくと思います。しかし同時に新しい都市のランドスケープの展開を考えています。

東京都の体育館は来年1月に着工します。

『科学博物館コンプレクス』
科学博物館コンプレクス
科学博物館コンプレクス

*次は、実はこのそばに、またSPIRALとも近いのですが、『科学博物館コンプレクス』を設計しております。これはSPIRALの系統といいますか、やはり金属のイメージが非常に強く前提にあり、先ほどもいいましたように金属というものの物質と物質性が、この全体の形態の中で中心になっております。それから形態的にはデ・スティル的なものがあって、やはりここでも屋根の線を微妙に変化させています。あるところでは縦方向に突き抜けて、ここでは水平線が強くなる、ここにくると切れている、ここでは梁の断面が出てきて、ここにくると薄いボールトになっていくというように、エッジだけ見ていきますとさまざまに変わって、これは20メートルでスカイラインが切られているケースなので、こういう微妙な操作でもってひとつのスカイラインを出そうという試みです。

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