アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
プロポーザルコンペで一等を取った「群馬県中里村新庁舎」です。ここは村役場として計画したにもかかわらず、工事中に村が合併してしまって一度も役場としては使われませんでした。途中でそのことがはっきりしましたので、設計の段階で地域の小中学生と一緒に合併後の使い道を考えながらつくっていったのです。とはいえ、よもや工事中にすでにリノベーションを始めることになるとは思いませんでした。
特殊建築物になってしまったので二方向避難とか耐火・防火区画が必要になってきました。議場になるはずだったところは大研修室に、執務室になるはずだったところは健康増進管理センターとなっています。行政側としても介護保険料を支払うよりは健康増進に力を入れた方が、トータルに見るとかなり安くなるそうです。
また、この真向かいにある中学校の小さな木造の体育館を建て替えることにもなりました。こちらは、以前から構想していた鉄骨と木造の併用でつくろうと思いました。天井や壁は、通常必要な下地構造である軽量鉄骨を一切使っていません。地元および県内産のスギの角材を敷き並べ、単にボルトで緊結しただけの、「ZIG HOUSE/ZAG HOUSE」的な考え方を応用してつくったものです。鉄骨造だけど、中に入ると壁も天井も三寸角材が積み重なってできている、材木に囲まれているような空間です。映画館としても使えるように暗幕も吊っています。