アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
なぜ災害支援を始めたかというと、建築家になってみて、そのプロフェッション、専門性に疑問を感じるところがあったからです。お金持ちの住宅を建て、行政の仕事をする。歴史的に見ても建築家の役割というのは同じです。貴族の館をつくり、宗教団体のための施設をつくる。つまり、特権階級が持つ財力や権力、政治力といった目に見えないものを視覚化するために、建築家が雇われてモニュメンタルな建築をつくってきたのです。そんなことがだんだん分かってきて、もっと建築家は市民の役に立つことをすべきではないかと思い、災害支援ボランティアの仕事を始めました。
自然災害といっても、ほとんどが人為的な災害だと言ってよいと思います。地震自体で人が死ぬのではなく、地震によって壊れた建物の下敷きになって人が死ぬわけですから、ある意味で建築家の責任でもあります。それにもかかわらず、被災地に仮設住宅という建築をつくる時に、現場には建築家はほとんどいません。そこで、そういう現場にわれわれ建築家が行くことによって、少しでもよいものができるのではないかと思いました。これまで積み重ねてきた自分の経験を、もう少し社会のため、あるいは災害で家を失った人たちのために役立てたいと思って、災害支援を続けています。