アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
その他に当時、ローコスト住宅の開発もやっていました。「家具の家(1995年)」は別荘ですが、壁も柱もありません。壁と柱の代わりに、工場でつくった洋服だんすや本棚などの家具が、全部構造体として建物の鉛直荷重と水平力を支えます。地震で家が壊れても、家具は壊れずにそのまま倒れてきて人が怪我をする例があるように、家具というのは非常に頑丈なのです。強度実験をして強度を確認し、家具を構造体とする住宅のシステムを考案しました。
幅90×高さ240センチ、奥行は機能により何種類かある家具を、鉛直方向には家具と基礎を、水平方向には家具と家具を緊結させて固定します。一日で家具の固定は終わり、翌日はプレカットしてきた木で床と屋根をつくります。この「家具の家」は平屋でしたが、屋根の上にまた家具を積めば二階建てをつくることもできます。工場で断熱材を入れたり塗装もすませた状態で現場に搬入するので、現場で廃材が出ることもありません。技術のある大工さんでなくても、誰でも非常に簡単に早く組み立てられるシステムです。