アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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古谷 誠章 - LIVING WITH SURROUNDINGS
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LIVING WITH SURROUNDINGS

古谷 誠章NOBUAKI FURUYA


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実践学園中学・高等学校 自由学習館
「実践学園中学・高等学校自由学習館」東側アプローチより見る外観。

「実践学園中学・高等学校自由学習館」東側アプローチより見る外観。

「実践学園中学・高等学校自由学習館」西側外観。

「実践学園中学・高等学校自由学習館」西側外観。

一方で、都会型の学校で、先ほどの「高崎市立桜山小学校」と同じようなテーマで取り組んだのが「実践学園中学・高等学校 自由学習館(2011年)」です。実践学園は男女共学の中高一貫校で、駅から徒歩約五分の住宅街の中に立地しており、自学習のための別館を少し離れた飛び地につくるという計画でした。生徒たちは毎朝満員電車に乗って登校し、都会に建つコンパクトな校舎で授業を受け、また満員電車に乗って多くは3LDKのような自宅に帰ります。そう考えると、一日中ストレスフルな状態にいるのですよね。その子たちをなんとか開放できる場所をつくれないだろうかということが、今回のプロジェクトの出発点でした。

「実践学園中学・高等学校 自由学習館」配置

「実践学園中学・高等学校 自由学習館」配置

2 点:「実践学園中学・高等学校 自由学習館」内観。1 2 点:「実践学園中学・高等学校 自由学習館」内観。2

2 点:「実践学園中学・高等学校 自由学習館」内観。

「実践学園中学・高等学校 自由学習館」断面

「実践学園中学・高等学校 自由学習館」断面

周辺は密集地で建て込んでいて、とても制約の多い敷地でした。隣地への日照や視線に配慮し、建物の外殻の形が決まっていきました。地下一階にホールを配置し、外殻とホールのボリュームの間に生じた隙間の空間に、さまざまな余暇活動のための空間を配置していく構成となっています。幸いなことに敷地西側に小さな区立公園があり、その緑を最大限に活かすことを考えました。内部の随所に隙間のような開口を設け、そこから公園の緑が見え、覆われた箱の中にいるようで、周辺の外部にも包まれているような空間となっています。わずかな公園の緑ですが、そのおかげで館内に潤いを持つことができます。制約のある周辺環境も、活用の仕方によってこんなこともできるという例です。

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