アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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古谷 誠章 - LIVING WITH SURROUNDINGS
沼田町地域密着多機能型総合センター
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LIVING WITH SURROUNDINGS

古谷 誠章NOBUAKI FURUYA


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沼田町地域密着多機能型総合センター

最後にご紹介するのは、北海道沼田町に建つ「沼田町地域密着多機能型総合センター(2017年)」です。旧中学校の跡地に、クリニックやデイサービス、高齢者用住宅、子育て支援などが入る街の福祉ゾーンをつくる計画の一環として、まずその第一期となるクリニック、デイサービス、暮らしの保健室、カフェなどからなる複合施設のプロポーザルコンペが行われました。北海道沼田町はとても寒く降雪も多い地域なので、長い冬場にもこの建物に老若男女が集い、出会える空間となるように、住民とさまざまな意見交換をした上で設計をまとめました。私たちの提案は、いろいろな機能が複合する中を「なかみち」と呼ばれるストリートが貫通している構成で、通常は、複合型施設と言ってもそれぞれの機能が分棟となっているものが多いですが、ここではそれらの待合空間やロビー空間がすべてこの「なかみち」空間に溶け出す形になっています。クリニックの診察順番を待っている人も、暮らしの保健室に来た人も、あるいはまったく用がなくここへ来た人も、この場所に居続けることができるように緩やかに開放されている空間です。先日行ってみたら学校帰りの生徒が、ここで宿題をやったりしていました。とにかく街にはさまざまな人たちが、日頃から出会える場所がどうしても必要です。冬は2メートルもの積雪があるのですが、そんな時にも採光が得られるように、トップサイドライトを設けています。また、屋根は二重として断熱性能を高めています。

「沼田町地域密着多機能型総合センター」外観。

「沼田町地域密着多機能型総合センター」外観。

「沼田町地域密着多機能型総合センター」なかみち空間を見る。

「沼田町地域密着多機能型総合センター」なかみち空間を見る。

いずれの作品でも、最初にお話ししたように、その空間で多くの人が出会い、その出会いを通して幸せになっていただきたいと思うのと同時に、その場所がそれ単体で存在するのではなく、取り巻く周囲の環境と一緒に成立しているのだ、ということをお伝えできればと思っております。本日は、どうもありがとうございました

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