アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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古谷 誠章 - LIVING WITH SURROUNDINGS
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古谷 誠章NOBUAKI FURUYA


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LUPICIA滋賀水口工場

「人を幸せにする」とはどういうことだろうかということを考えるにあたって、「LUPICIA滋賀水口工場(2013年)」の依頼を受けた時のエピソードをお話ししたいと思います。ブレンド・ティーの生産を行う関西地区の拠点工場で、製品の搬出入を行うプラットフォームを覆うアルミパネルの大庇が特徴です。この大庇を製作したのは、東日本大震災で大きく被災した気仙沼の高橋工業で、これは「せんだいメディアテーク」の鉄骨をつくった会社ですが、震災直後のたいへんな状況でしたが、震災から復活するためにもどうしてもお願いしたいと言ってつくっていただきました。

「LUPICIA 滋賀水口工場」プラットフォームを覆う大庇。

「LUPICIA 滋賀水口工場」プラットフォームを覆う大庇。

また、この工場自体はブレンド・ティーという「製品」のための空間です。しかし、そこで働く「人」が幸せになるためにはどうしたらよいだろうかということを考えました。まず、働く人たちにとって少なくとも休憩時間はリフレッシュできるような空間をつくることと、もうひとつは、何よりここで働いている人たちの姿が通りの人に見える「晴れ舞台」を前面に設けようということを考えました。通常なら荷物の積み下ろしのためだけに庇を張り出しますが、ここでは原材料が運び込まれてから出荷されるまで、その仕事の一部始終が絵となり、パフォーマンスとなるよう、舞台と天蓋をつくったのです。また、LUPICIAの他の店舗も手掛けています。京都の寺町三条の店舗をはじめとし、たまプラーザ、仙台一番町、台湾(現在は営業終了)、ハワイのアラ・モアナ・センター、パリのサン・ジェルマンなど、それぞれの土地柄に合わせた店舗をつくっています。

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