アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
竹も独特の粒っぽさを持っています。普通の木は、切るという動作によって粒をつくり、それから建築を組み立てていく必要がありますが、竹は切らなくてもそもそも粒子として存在し、粒子寸法が決まっています。竹は生まれながらにして粒なのです。
竹の太さとピッチのスタディ。
この「Bamboo House(2000年)」では、竹をなるべく構造的に使おうと考えました。竹を型枠として、中に鉄とコンクリートを入れて柱にしています。竹を選ぶ際には、さまざまな太さの竹を持ってきて、何種類かのピッチで並べてみて、どれくらいの竹の粒が自分の体にとって気持ちよいか実際に試します。これはいつも私たちがやっていることなのですが、図面上ではなかなか確認できないことなので、非常に大切なプロセスです。私は図面をそんなに信用していないのです。
北京の万里の長械の脇につくった「Great (Bamboo) Wall(2000年)」でも中国の孟宗竹を使用しました。元もと、孟宗竹は中国から入ったものですが、中国のものと日本のものでは、竹の粒が異なるのです。鎌倉の「Bamboo House」と同じ直径60ミリのものを使用したのですが、日本ではまっすぐで60ミリに限りなく近い竹が搬入されますが、中国では太さもバラバラ、しかもほとんどが曲がっているので、並べてみると印象がまるで遣う。これが、それぞれの場所でつくるということの面白さなのだなと感じました。図面やスペックを超えた差異が、自然に生まれるのです。