アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
次のプロジェクトは、空気ではなく水を使った「水ブロック(2007年)」です。工事現場に置いてあるポリタンクから着想しています。普通、建築の重さは変えることができないけれど、このポリタンクを使えば水を入れたり抜いたりすることで重さを変えることができます。工事現場では現場に搬入した後で水を入れて、ポリタンクが風でも飛ばないようにしているのです。最初のアイデアは、このポリタンクをレゴブロックのように積み上げていましたが、それでは壁しかつくれない。少し進化させたのが「ウォーターブランチ(2008年〜)」という、ニューヨークのMOMAで展示した作品です。その後、ギャラリー・間で行われた展覧会「Studies in Organic」では、テラスに屋外展示しました。ひとつのプロックを長くして、凹凸を増やして三次元的に組み合わせられるようにすることで、持ち送り構造が可能となり、壁一だけではなく屋根をつくることが可能となるのです。また、給排水の弁を二ヶ所にし、それらを繋げ合わせるとユニットがパイプとして機能し、水を全体に流すことができま す。これを使って壁全体が配管になる家を考えました。外側に集熱器を付けて太陽光を使って温水をつくり、それを家全体に流すようなシステムで、床暖房や壁冷房といったことも可能になります。外部のインフラに頼らずに、完全に自立、自律した家というのが可能となるシステムでもあります。