アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
ペルーの標高4000メートルほどの場所にあるチチカカ湖には、トトラという葦でつくった浮島の上で大家族的に住んでいる人たちがいます。浮島ですからプカプカと水ていて、風が吹いたら流れていくのですが、浮島の上にはいくつかの住宅がつくられていて、彼らは炊事などの家事をすべてこの上ですませています。住宅という「小さな共同体」が、浮島という「大きな共同体」の中に存在しているわけです。
また、イラクのティグリス川とユーフラテス川が合流する辺りには、チパイシュという集落があります。水深が一メートルほどしかなく、人が立つて歩くことができる場所です。集落の住人はここに島をつくり、住宅群を形成しています。
この集落でも、ある「大きな共同体」があって、その中に「小さな共同体」があるという住み方をしています。集落にはマディフという集会所やモスクもあります。私たちが調査した住宅では、一夫多妻で奥さんが二人住んでいました。イスラム圏の住宅は、男性の場所と女性の場所がはっきりと分かれています。私たちが入れたのは男性の場所で、ゲストルームになっていました。奥にある台所が女性たちの場所で、そこには男性は入れません。このような住宅が「小さな共同体」としていくつか集まって、島という「大きな共同体」を形成しています。