アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
普段あまり意識していませんが、私たちはこういうことを前提にして住宅に住んでいるし、建築家はこういうことを前提にした住宅を設計しています。私はこれはかなりすごいことだと思います。私たちはそれまでの「共同体内共同体」的な住み方に比べて、まったく異なる住み方を選んだのだと思います。
先ほどご覧いただいた集落の写真をふまえて、ひとつの住宅にひとつの家族が住むということがいかに特殊なことであるかを皆さんに考えていただきたい。私たちの住宅はきわめて閉鎖的につくられています。「共同体内共同体」においては、地域共同体が住宅を外から包んでいましたが、「一住宅一家族」システムではその地域共同体が消滅してしまったので、住宅は単独で孤立的にならざるを得ません。それでマンション、住宅はその出入口を鉄の扉で閉じ、外側とできるだけ関係なく住めるようになっていったのです。隣あった住宅は相互に干渉しません。高級なマンションほど隣の音が聞こえないようにできていて、隣の音が聞こえたりすると事件が起こってしまったりするわけです。
こういう所に私たちが住んでいると思うと恐ろしくはないですか。私はやはり変な住み方をしていると思います。