アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
山本理顕 - 「地域社会圏」という考え方
かつて住宅は「共同体内共同体」だった
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2009 東西アスファルト事業協同組合講演会

「地域社会圏」という考え方

山本理顕RIKEN YAMAMOTO


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かつて住宅は「共同体内共同体」だった

ご紹介したように、多くの集落において住宅は「大きな共同体」の中の「小さな共同体」として、私の言い方では「共同体内共同体」としてつくられています。素材や形は違つても、今お見せした集落のすべてがこの構造を持っています。これらの集落に住んでいる人たちは自分たちの住む環境を「小さな共同体」である住宅だけではなく、その集合としての「大きな共同体」と共に認識しています。「大きな共同体」の中の「小さな共同体」に身をおいて初めて、人間は住む環境を考えることができます。

かつて日本の集落でも同じ環境がありました。住宅は田の字型のプランで座敷や閤炉裏端がありました。囲炉裏端は家族が使い、座敷はゲストと共に儀式などに使われていました。ここで言うゲストとは「大きな共問体」のメンバーである集落の人たちです。住宅は必ず「大きな共同体」と「小さな共同体」の関係を基にしてつくられるものだったのです。

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