アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
トギ(インド)での調査は少したいへんでした。たくさんの建物が集まっている中で、どこまでがひとつの住宅なのかがまったく分からなかったのです。実はこのたくさんの建物全体がひとつの住宅でした。
インドという国はおもしろい所で、その家族形態は合同家族と呼ばれています。合同家族の住宅の特徴は拡大→拡散のプロセスです。子どもたちが奥さんをもらうと、寝室や台所となる建物を次々に増築していき、親子兄弟全体でひとつの大家族として住むのです。そして父親が死ぬと、子どもたちは父親の財産を分け、分かれてしまいます。つまりトギの合同家族の住宅は時間が経つにつれて拡大したり縮小したりするので、ひとつの集落の中に大きな建物や小さな建物が混在しているのです。大きな住宅には兄弟が住んでいる場所や、奥さんの場所、二番目の奥さんの場所などが集まり、全体でひとつの共同体を形成しています。そうした共同体の集合がひとつの集落になつているわけです。