アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
現在、天津で図書館をつくっています。延床面積が55,000平方メートルもあります。「埼玉県立大学」の延床面積がおよそ56,000平方メートルなので、ほぼ同じ大きさです。それがすべて図書館という信じられない大きさの図書館です。
中国は書物に対して非常に敬意を払う国で、ものすごくたくさんの全集があります。
中国の学者たちは学業の最後に自分の全集をつくるのが目標とされているのだそうです。だからその学者たちのたくさんの全集がここに収められています。もちろんあれだけの歴史を持った人たちですから、本というものが自分たちの知識を伝える最も重要な方法だということをよく知っているわけです。市立図書館でこれだけの大きさが必要だとは、最初は信じられなかったのですが、蔵書を見せてもらったら、なるほどと思いました。
現在まだ基本設計の途中の段階ですが、ほぼこのかたちで固まりつつあります。
一辺が110メートルほどの大きさがあります。膨大な量の本があるのであらゆる壁が本棚に使えるような構造体にしました。すべての壁が梁になっています。その上に梁の上に梁がのり、また梁がのっているというような建築です。下からはいろんな梁が空中を飛んでいるように見えます。すべての階のプランが違うので、断面を描いても切る所によってすべて梁の位置が変わります。さまざまな場所に本が飾られていて、それが全体の構造体となり、図書館の表現にもなっています。
この建物は高松伸さんがつくられた「天津博物館」のすぐ横に建てられます。図書館・美術館・博物館・音楽用のホールが同時に四つ完成するという非常に巨大な計画のひとつです。