アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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私の建築手法
隈 研吾 - 小さな建築
Great (Bamboo) Wall
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2012 東西アスファルト事業協同組合講演会

小さな建築

隈 研吾KENGO KUMA


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Great (Bamboo) Wall

次は、「Bamboo House」の経験を生かして、竹でつくった中国の「Great (Bamboo) Wall(2002年)」です。中国という国は、大きくて強いものが好きな国ですから、最初は、本当にこの国で小さくて柔らかいものをめざしている私の建築が受け入れられるのか、少し不安に感じていました。しかし意外にも、中国でもそういった私の建築を好きな方がたくさんいらっしゃって、このプロジェクトは実現しました。万里の長城の脇が敷地で、地面はいじらずに建てることを決め、建物の方を、万里の地形に合わせて有機的な形態としました。使用した竹は、「Bamboo House」の外壁で使用したものと同じ直径60ミリの竹です。

「Great (Bamboo) Wall」外観
「Great (Bamboo) Wall」外観。
「Great (Bamboo) Wall」1階バンブーラウンジ
「Great (Bamboo) Wall」1階バンブーラウンジ。

水盤を設け、縁側のような半屋外の空間をつくりました。ここに女優の吉永小百合さんが座られていたCMで、この建物のことをご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。実際は、このCMはコンピュータでの合成でつくられていて、吉永さんは訪れていないようですが(笑)。中国でも、北京オリンピックの際に、チャン・イーモウという映画監督がつくったオリンピックのCMに、この建築が使われました。それによって、この建物の映像が、中国全土で毎日のように流れ、中国の方から仕事を依頼される機会が増えました。私のつくった「Great (Bamboo) Wall」は中国では「竹屋」と呼ばれ、こんな家をつくってほしいと仕事を頼んでくれるようになったのです。これから日中関係の行く末は分かりませんが、今のところ中国には、私の建物のファンがたくさんいらっしゃいます(笑)。

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