アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
「メム メドウズ(2011年)」は、北海道の大樹町に、LIXIL財団の要望でつくったエコピレッジの中の実験住宅です。今回ヒントにしたのは、アイヌ民族の笹でつくった「チセ」という住宅です。この住宅は中央にいろりがあって、夏でもいろりをたいて地面を暖めているので、冬も地面が暖かくて快適に過ごせます。このチセを現代の技術でつくろうとしたのが「メム メドウズ」です。二重膜構造で、膜の間を暖かい空気が循環し、部屋を暖めます。また、中央のいろりで地面を暖めます。
これが一軒目となり、エコビレッジには毎年一軒ずつにLIXIL財団によって、コンペティションで選定したエコ住宅を建てていきます。私の「メム メドウズ」に続く二軒目、三軒目が、慶應大学と早稲田大学の学生たちのチームでつくられています。慶應大学のチームの住宅は、楽しいエコ住宅です。馬と暮らす家で、暖房の熱源が馬なのです。馬は体温が高く、とても暖かいので、その体温を熱源にして冬を暖かく暮らすという考え方です。ここで問題になるのが、馬の匂いなんです(笑)。どのようにして、馬の匂いをうまく除去しながら馬の体温だけを取って、冬を暖かく暮らすかというのが見どころです。
こういった、エコ住宅が毎年完成し、ひとつの村のようになり、そこでさまざまな大学がワークショップを開き、研究をしようとしていますので、興味のある方はぜひそういうイベントに参加してください。