アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
次は、イタリアのナポリの「CAVA Market Headquarters(2007年〜)」です。ナポリでおもしろい石切り場を見つけました。そこで採掘される石は、「トゥーホ」というベスビオ火山の灰が固まってできたぼろぼろの石で、植物の種が飛んできてこの石の上に落ちると、そこから木が生えてくるくらい非常に柔らかい石です。先ほど紹介した大谷石よりも、もっと柔らかくぼろぼろの石なのです。このトゥーホを使えば、自動的に建物が自然に還っていくのではないか、と考えました。屋根にも壁にも、このトゥーホを使い、何十年かかけてどんどん緑に覆われて、建築が自然に還っていくイメージです。
しかし、このトゥーホを使用するにあたって、ディテールの検討が非常に難しい。ここまで柔らかい石を、どう加工して取り付ければ、ルーパーとして使用できるかについてイタリアの石の会社数社に、性能発注のコンペティションを行ったところたくさんのアイデアが出てきました。イタリアの石の技術はとても発達していることに感心しました。日本の技術も捨てたものではありませんが、石の技術に関しては到底かないません。