アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合

東西アスファルト事業協同組合講演録より 私の建築手法

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隈 研吾 - 小さな建築
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2012 東西アスファルト事業協同組合講演会

小さな建築

隈 研吾KENGO KUMA


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グラナダパフォーミングアーツセンター

次は、スペイン・グラナダの「グラナダパフォーミングアーツセンター(2008年〜)」というオペラハウスです。ザクロからヒントを得た形態です。ザクロは、英語ではpomegranate(ポム・グラナータ)と言います。グレナディン・シロップなどみなさん聞き覚えがあるかと思いますが、グラナダの語源です。イタリア語では、グラナータは「粒」のことを示し、大きな粒の中に小さな粒々があるという意味となります。またグラナダには「アルハンブラ宮殿」という名所があり、天井には90度でない幾何学模様が描かれています。「アラピック」という言葉は、実は小さなものの集合体という意味があり、アラビックデザインと言うと、この天井の模様のように、小さな粒々で全体が構成されているものを示しているのです。

「グラナダパフォーミングアーツセンター」ホール客席イメージ
「グラナダパフォーミングアーツセンター」ホール客席イメージ。
「グラナダパフォーミングアーツセンター」断面イメージ
「グラナダパフォーミングアーツセンター」断面イメージ。

このオペラハウスは1,500人を収容するのですが、どうしてもボリュームが大きくなってしまうので、建物を六角形の集合体に分割して、ハニカム構造としました。大きな蜂の巣のように見えます。この蜂の巣の中に空間をくりぬいて、ホール空間をつくっています。ホールの内部でも、蜂の巣のような六角形の構造が分かるようにつくり、それぞれ六角形の空間は、家庭の居間に近い、居心地のよい小ささです。


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