アスファルト防水のエキスパート 東西アスファルト事業協同組合
次は「スターパックスコーヒー太宰府天満宮表参道店(2011年)です。敷地は、太宰府天満宮ヘ続く参道に接しており、周辺は平屋か二階建ての小さい建築が建ち並ぶ街です。この場所に普通にコンクリート打ち放しの店舗を建てても、小さいエレメントでつくられた周辺の街並みに対しては、強く大きすぎるので調和が取れません。そこで、ここでも小さな骨組みで全体をつくることを考えました。間口が6メートルに対して、奥行が40メートルもある敷地なので、道を歩く人がこの建物へ思わず引き込まれるようなデザインにしたいと考えました。構造を佐藤淳さんにお願いし、角度を60度ずつ振った木の骨組みが、全体をつくっていく構成を考えました。しかし、これが佐藤さんも頭を抱えてしまうような難しい構成なのです。木の骨組み四本を一カ所に集めるとジョイント部が複雑になってしまって、解けません。そこで、部材の支点をわずかにずらすことで四部材が点で交わることを避け、二部材ずつを雇い材で接合し、最後はダボ留めとすることで、この難問を解決しました。この木組みは飾りではなく、建物を支えている構造体です。こう見ると、本当に日本の大工さんの技術はすごいなと感心しますよね。この木の部材をすべて繋げると、全長4キロメートルにもなります。